攻殻機動隊の最初のTVアニメの総集編。神山健司監督。
最近のアニメと比べると、絵柄は古いが内容は古さを感じない。懇切丁寧なわかりやすさを省いているのもクール。
「ライ麦畑でつかまえて」をモチーフにした衒学的なセリフと軍隊的な会話が飛び交い気を抜くとついていけなくなる。それだけシナリオが充実しているので、しっかり観ていれば面白い。ドライな人間関係もクセになりそうな魅力がある。
電脳が流通した世界と公安9課メンバーたちの基本描写があり「攻殻機動隊」シリーズの最初に観るのには丁度よい。
落とし所は政治が絡むため、鑑賞後のカタルシスは薄かった。それも本作の個性なのだと思う。
2030年の日本が舞台だが、現実は追い付きそうにない。