Nella

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX The Laughing ManのNellaのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

また微妙に感想ではない事を書きます。

10年程前に突発的にハマって毎日見てた。当時、職場でパワハラに遭い鬱病になってしまって、何か小難しく思索したり、現実逃避できるものが欲しかったんだと思う。
劇中の広域重要801号事件、通称笑い男事件だが、なんとあと1ヶ月くらいで現実が追いついてしまう。2024年2月3日、渋谷スクランブル交差点の前で「おでかけ天気予報」というTV番組の中継中に事件が起きるのだが、なんともう駅前にあの東急百貨店の姿がないじゃないですか!!
ついでに言うと劇中に何度も登場する、TSUTAYA内のスタバと思わしきカフェも、もうないじゃないですか。現実は冷たい。てか、せっかくの聖地なのだから攻殻で盛り上げるとか何かないのかなぁ、もったいない。ARISEの時は新宿で義体屋とかやったのに。

しかしこんなこと言ったら夢がないけども、現実が攻殻の世界に近づく事はまずないと思うんだよね。SACの中でも散々、電脳に反対する意見や団体が出てくるけど攻殻ってまず電脳ありきじゃん、脳をネットに繋いで生きていくのが前提な訳だが、脳味噌全部人工にする外科手術を全員ほぼ半強制的に受けないといけないって事になる。それは実現不可能じゃない?

だってコロナのワクチンすら打たない人いるんだよ。その人達にマイクロマシンを脳に注入するなんて言ったら気絶しちゃうんじゃないかなぁ…

SACの中でも望む望まないは不明だが、電脳化した事で電脳への過剰適応のような症状、電脳閉殻症が問題となり、授産施設に集められた子供達がいる。Solid State Societyにも出て来るけど、あんな小さな子供を全身麻酔して脳の手術なんて、健康体なのにそんなことしたくないのが、普通の親じゃないだろうか。電脳化による副作用があの授産施設の子供達、って思ったらちょっと恐ろしいよね。(素子はGIGで語られる通り、子供の頃事故にあって他に選択肢がなく全身義体になった)

それに電脳硬化症なんて、「脳が硬まる」というもうほんと、ダイレクトすぎる副作用で、そんな恐ろしいものを国民に推奨しといて有効なワクチンを承認しないなんて、もろに反ワクが謳う人口削減の陰謀説のようではないですか…。

この笑い男事件は神山監督の完全オリジナルで、原作には全くない話を、あらゆる教養を駆使してここまでの完成度に仕上げちゃう所に、師匠である押井守の影響を感じます(笑)

あとこれはめちゃくちゃどうでもいい話なのですが笑い男の主犯格であるアオイ青年、何年もずっと「アオイ」が名前だと思ってたのに、衣谷遊版のコミックスで「アオイタカシ」と名字にされてたのが地味にショックでした。
このアオイ青年の造形は、その後の神山監督作品である「東のエデン」に、何人かのキャラに分裂して引き継がれていると思う。外見は主人公の滝沢、性格は結城亮、暴走気味の正義感は黒羽社長かな。いやでもマジで思うんですけど、笑い男(と本人は一度も名乗っていませんが)ことアオイ君は、アニメ史上屈指のカリスマキャラだと思うし彼を生み出した神山監督は凄い。彼を超えようという意図でデザインされたキャラ(例えばサイ◯パスのカ◯イとか)もいるにはいるんですけど…ねぇ。カリスマって自分で言ってもカリスマは生まれないからねぇ。それはGIGにも繋がる話で。

GIGの感想も書いたのですが、GIGにおける政治観の違いからファンダムの人と喧嘩になってしまい、ファンダムから去らざるを得なかったので、なんか書いてて悲しくなってきて消しました。また書き直すかもです。

【追記】
いや書き直さない。さっき旧Twitterの#男オタクに云々〜というタグで「ARISE見に行った時『女に攻殻はわからない、女は出て行け』と言われてぶつかられた。周りの男性客もニヤニヤしてた」ってのが流れてきた。攻殻オタクって最低だな…
Nella

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