加賀恭一郎シリーズの完結編ということで、恭一郎のバックグラウンドに迫りつつ、県と時を跨いだ難事件に挑む。
OPを迎えるあたりにはもう役者は揃い、謎の男がキーパーソンになることは観客にも分かる。それがミッチーなのかどうかというミスリードで進む。
シリーズ通して原作には出て来ない甥っ子の溝端の役回りがまたしても生かされていない。結局後半は加賀の独壇場という。田中麗奈のうっとおしい看護師は「葛城事件」を思い出す。阿部ちゃんの演技も若干桑野伸介が入っていたように見える。
ストーリーは複雑な相関図を理解する必要があるが、ミッチーの不倫は正直なくても良かった。学生時代で博美との親密さが描かれていないし。結局のところ風が吹けば桶屋が儲かるみたいな偶然が不幸にも重なった結果であった。押谷道子が直接東京に来るまでの動機がイマイチな～。
顔も、桜田ひより→飯豊まりえ→松嶋菜々子とはならんやろ…。
事の真相は全て回想シーンでここで初めて小日向が現れる。日本橋洗いで出しても良かったのに、そりゃないぜ。加賀の名推理のセリフで聞きたかった。テロップの多用にもあるように絵で見せたい監督だと思うけど。
腐乱死体や焼死体までTVドラマなら写せない描写が多く、劇場版だからこそのグロは結構本気出したなと思った。
加賀恭一郎シリーズで映像化されてないのはまだまだあるけど、若いキャストでいいから『卒業』観たいな～。
