まず、初っ端で腐った死体とうじ虫、コゲコゲの焼死体を大写しにしている部分。
次に観るときは顔を背けておこうと思った。
そのくせ、肝心なところは映されていなかった。
(そこも顔を背けようとは思っていたんだけど)
「泣けるミステリーの最高傑作」と言われていて、
原作を読んだ時点でもとても切なくて悲しかった。
読んでいて辛いものだから、この映画は観てやるものかと思いながらも、
観ないわけにはいかないという、相反する気持ちをずっと抱えていた。
原作は、決して大長編というわけではないけれど、
数々の説明が多く、ボリュームのある感覚があった。
それを一つの映画におさめているのはすごい気がする。
説明部分として字幕が使われていたところもそういうことかな。
原作の加賀シリーズを網羅しているわけではないので分からないけれども、映像版に共通するキーワードは「人を守る嘘」ですかね。
この映画のキーワードは「曾根崎心中」かな。
桑野さんを観た後の加賀さんに違和感と共通点とを見出して面白い部分もあった。