りょうん

戦場のメリークリスマス 4K 修復版のりょうんのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

爆笑問題のファンならば、
「メリークリスマス!ミスターローレンス!」
というギャグを何度も聞いていると思う。

このひょうきんなフレーズって本当なの?
と思い、You Tubeでこのシーンだけでも確認できないかと、
ちょっとしたまとめ動画みたいなのを見てみたのが数か月前。

全然違うじゃん!シリアスなものとしか思えない。
これは観てみたい。CSで放送しないかな。
と調べてみたら、その翌日から上映されるというタイミング。

緊急事態宣言の自粛を経て、やっと観ることができた。



重みある表情のヨノイ大尉とセリアズが映ったこのポスター、音楽、
前振りが非常に厳かな作品を期待させる。

その点からいうと、実は物足りないなと思ってしまった。

もっともっと、立ち直れないくらい、暗い気持ちにさせられて、
最後の場面に救われることで少しはマシになれるような、
それでも暗い気持ちで席から立つのに時間を要する、
それくらいの重さを期待してしまっていた。

もちろん、重い作品ではあるけど。
ヨノイ大尉は感情を表に出さないキャラなのはいいけど、
その中でももう少し心情の変化を。

セリアズの存在感をもっともっと強調して、喪失感を大きく。

ハラとロレンスの関係性も、あの中で生まれた友情の強さがいまいち感じられずに、最後のセリフを聞くと、急かなと思った。

すると、ハラがロレンスとセリアズを釈放すると決めるに至った経緯の詳細だったり、彼らを独房に入れたことに対する罪悪感だったり、そこからサンタクロースだと言い始めた感情だったり、その時のやり取りが濃く描かれることで一回目の「メリークリスマス」が重みを増して、
二回目を聞いたときに、グッとくるものがあるのではないかなと、感じた。

ポスターから感じる厳かさが、厳かであるべく、厳かに描かれているとよかったかな。
グッときたかった。



それにしても、体験談をもとにしているということだから、
おおよそこのような出来事が実際にあったかと思うと、
それは確かに重みのあることだなと思う。