このレビューはネタバレを含みます
イランの首都テヘラン近郊、砂と埃の荒地を1人の中年男性が何かを探す様に車を走らせる。
彼はお金に困っている人を乗せては、ある頼み事をする。
主人公のバディがなぜ死にたかったのか、最後まで明かされる事はない。
でもそれはさほど重要ではない気がする。
なぜなら私は「死」を求めている映画ではなく「生」や「喜び」を重視したストーリーだと感じたから。
彼は本当に死にたかったのか?
実は自殺を止めて欲しかったのか?
なぜそう思ったか、車に乗せた3人の男性は皆んないい人だったから。
お金が欲しかったら、彼の命はどうでもいい。
彼らは自殺を止めようと説得した。
最後に乗せた老人の一つ一つの言葉が胸に刺さる。
彼に出会ったことでバディの心が変わっていく。
空を飛ぶ鳥、美しい夕焼け、月夜などなど死んでしまっては見れない。
ストーリーはシンプルだが、とても重みのある優しい映画だと思った。
ラストシーンの撮影現場の映像。
埃と砂ばかりの映像から一面の緑広がるシーンに感動。
アッバス・キアロスタミ監督作品
人生に疲れた時(ちょっと大袈裟💦)などにこの映画を思い出したい。