カンヌでグランプリを獲ったという作品なら、自ずと中身も詩的なものになるというのは予想出来る。
自殺を考えてその幇助を頼むため男は車を走らせ、その手伝い人を探していく。
当然自殺に手を貸そうとする人間は中々いないが、その中で男は生への想いを話して説得してくる男の言葉に耳を傾ける。
とても静かであり、カメラワークも同じように車がドライブする映像ばかりで、退屈したとしても不思議ではない。
ただ言葉の重みは自然と沁みこんでくる。この部分こそが映画の中心。
どうなるかと思ったところでのまさかのラスト。
これは予想できないというか、投げ出しとしか思えないほど。
どうせなら夜のシーンで終わった方がまだ考えさせられたはずだ。