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ブラザーサンタの一人旅のレビュー・感想・評価

ブラザーサンタ(2007年製作の映画)
4.0
デヴィッド・ドブキン監督作。

クリスマスシーズンの鑑賞がぴったりなサンタクロース映画のバリエーションで、コメディアンのヴィンス・ヴォーンがサンタの兄貴を演じています。

サンタクロースを題材にした映画は古典『三十四丁目の奇蹟』(47)を始め数多く制作されてきましたが、本作品はサンタのお兄さんを主人公に設定している点がユニークなファンタジーコメディとなっています。優秀な弟:サンタクロースを妬んで生きてきたアメリカ在住の出来損ない兄貴:フレッドが北極にあるサンタ一族とエルフの町を訪れて繰り広げる一連の騒動を描いたコメディです。

物語の大半が北極にあるサンタの町を舞台にしていて、世界中の子供たちに配るプレゼントを製造する巨大なオモチャ工場とそこで働く小さなエルフたちのファンタジックな光景は『チャーリーとチョコレート工場』(05)の世界観を連想させますし、世界の子どもたちの様子を観察できる魔法のスノードームや、子どもたちを“いい子”と“悪い子”に選別する事務作業の風景もユニークであります。

オモチャ工場の閉鎖を企む本部のスーツ男(ケヴィン・スペイシー)が一応悪役として登場し、工場の閉鎖を回避するためクリスマス当日までに必要数のオモチャを作って子どもたち全員に配り終えるため意を決した主人公の奮闘を描いています。みんなに愛されているサンタクロースの落ちこぼれ兄貴が繰り広げるドタバタ騒動をコミカルに活写しつつ、“家族愛+サンタ愛”溢れる着地がハートフルなサンタコメディとなっていて、主演のヴィンス・ヴォーンと名脇役:ポール・ジアマッティが対照的性格のサンタ兄弟を好演していますし、兄弟の母親役でキャシー・ベイツ、主人公の恋人役でレイチェル・ワイズも存在感を出しています。

蛇足)
優秀な兄貴を持つ弟の対話会に、シルヴェスター・スタローンの弟:フランク・スタローン、アレック・ボールドウィンの弟:スティーヴン・ボールドウィン、ビル・クリントン元大統領の弟:ロジャー・クリントンが本人役でゲスト出演しています。
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