ハレルヤ

ある女流作家の罪と罰のハレルヤのレビュー・感想・評価

ある女流作家の罪と罰(2018年製作の映画)
3.7
元ベストセラー作家のイスラエル。酒に溺れて仕事も金もなく窮地に追い込まれた状態。そんな中有名人の手紙を偽造して販売する詐欺行為に手を染める姿を描いた物語。

もっとサスペンスチックな作品かと思っていましたが、ジャズの音楽が良い感じで流れる大人向けの静かなドラマという印象でした。なので派手さなんか皆無。スリリングな映画を望む方なら全く合わないでしょう。

主演のメリッサ・マッカーシーの味のある演技も本作の大きな特徴。「SPY スパイ」でのコミカルなイメージと大きく変わって、口も性格も悪く、あらゆる状況が悪化した挙げ句犯罪行為に走ってしまうイスラエルを見事に演じていました。

飼い猫も病院で診てもらえないほどの貧困に陥るイスラエルと、彼女と共に詐欺行為を働く同性愛者のジャック。互いに孤独に生きる人間で社会から除け者扱いされていた2人。彼らの姿から1960年代の時代性が強く感じ取れます。

ストーリーだけ見るとサスペンスですけど、じっくりと味わえるドラマのような作品。実話というのにも説得力があります。
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