まっちょん

ブレス しあわせの呼吸のまっちょんのネタバレレビュー・内容・結末

ブレス しあわせの呼吸(2017年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

お久しぶりです。
久しぶりのレビューで緊張しちゃいますね。


ポリオっていうのは急性灰白随炎と別名呼ばれてて、90%の人が不顕性感染って言って 症状が出ない感染症なんですが、約1%の人に弛緩性麻痺の症状が出ると言われています。
今の時代じゃワクチンで予防が出来るのですが 当時は汚水などから感染してしまう状態だったので 恐らく作中のアフリカの方へのお茶の仕事で感染したのでしょうね。

めちゃくちゃ前のパッチ・アダムスのレビューでも言ったかもしれないですが、自分が携わる臨床工学技士の業務で生命維持管理装置の保守点検ってのがあるんです。
保守点検だけではなく もちろん患者さんへの接続なども行うんですが、今回重要な働きをした呼吸器も勿論 生命維持管理に該当する機器なんです。

病院実習で最近ICU(集中治療室)で意識のない人呼吸器点検をしたのですが 意識がないって本当に医療者側からしても怖いんですよね。
もしあなたが何か誤嚥(変に飲み込む)をした場合、咳き込んで口の中に戻したり出来ますよね?でも意識が無いのに誤嚥したら その誤嚥物は そのまま肺に行き 詰まらせる可能性があるんです。

だからICUでは色々なモニタで血圧などを監視しているんです。
そんな厳重注意が必要な急変しやすい人でさえも管理が大変なのに それを1人で しかも自作の呼吸器を使用した人を看病する。

これは…相当キツイですね。
今の人工呼吸器はコンセント抜けてもバッテリー駆動にアラームと共に切り替わるし、呼吸器は生体に対しての影響も少なくいんですけど 作中のは初期の初期の方の呼吸器なんで本当に電力供給無かったらおしまいなんですよ。

いやぁ凄い。
作中出てきた近未来的な白い部屋にいた患者さん達見ましたか?
あれ恐らく鉄の肺っていう人工呼吸器で、患者さんの首から下を機器に入れて 機器が生体に対して強い陰圧(引っ張る力)を働いて 呼吸に必要な胸郭を引っ張って広げて、陰圧を戻して胸郭を戻して…って吸気と呼気を繰り返すやつなんですけど あんななってたんですね
なんか実験台みたいで怖いですよね。


いやぁ色々考えちゃいますよね。
今は在宅医療で管理出来るように ちゃんと管理者が人工呼吸器の保守点検を聞いて 許可を得てから自宅管理が可能になる様になってるんです。
そういうきっかけを世界に与えた可能性があるお話ですよね。

本当に凄い。
当時の色々な点から呼吸器について学べました。
めちゃくちゃマニアックな内容のレビューになってしまった。
誰得なんだろうか。
最後まで読んでくれた人は きっと暇人か変人なんだろうな…