金春ハリネズミ

トップガン マーヴェリックの金春ハリネズミのネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

映画館に滑り込み。

音響が良いところで鑑賞おすすめ。

結論から言うと、めちゃめちゃ面白かった。
けど同じくらい苦手な映画です。

やっぱりねー。
80年代のハリウッド映画に良い印象を持たない僕とは当然相性悪いわけですよ。
だから乗り切れないところがある。
これは僕の問題が大きいかも。

ただこの「トップガン」。
本作を見ると改めて型がよくできているなと関心しました。シナリオが全体的に安定していて完成度が高いんですよね。
「ロッキー」を重ねました。
同じ型で何杯でも飯が食える。
安定した質を生み出せそうな堂々っぷり。
シリーズものでもっと観たかったかもしれない。

全体的にはとても満足で、いい映画観たな〜と思ってるんですよね。

でもねー。
苦手なんですよ。笑
大きくは2つあって。

1つは、話の軸となる作戦の内容について。
どこからもどう見てもな「先制攻撃」。
今のロシア/ウクライナ情勢があるから。
とかの話ではなくどちらかと言えばアメリカ/中東の関係を本作と重ねてしまいます。
アフガニスタンなんかが個人的に印象に残ってますが、正義という名の明らかな誤爆の数々。
無理な国家間への介入などで、余計に事態を拗らせてきた張本人アメリカ🇺🇸なわけです。
たとえ「仮想敵国」と謳っていたとしても、明確な正当性もないままに容赦なく正義の鉄槌を何の躊躇いもなく実行しようとする、アメリカの抱えすぎた正義感を改めて見せられてしまうハメに。
ましてや難易度は+SSSくらいで、正直マーヴェリックにしか殆どこなせない始末。
だったら申し訳ないんだけど、それ、「ミッションインポッシブル」とかでやってもらえないかな。
思うわけです。
イーサン・マーヴェリックですか。

それから2つ目は「世代交代」という点について。
僕はどっちかってとこの世代交代に期待していました。
要するに「カーズ/クロスロード」を期待してしまった。。
これが大きな間違い。
確かに冷静に考えれば、本作は「トップガン2」でもなければ、「トップガン next generation」でもない。
「トップガン マーヴェリック」なんですよね。
っていうか「トップガン」というよりかはもういっそ、「マーヴェリック」なんですよね。

マーヴェリックが強すぎて。
本作の主眼がマーヴェリックすぎて。
世代交代は、一応付け足しときましたよ。
といわんばかりの添え物扱い。

マーヴェリック:世代交代の比率はほとんど8:2みたいなバランス感覚で。
作中の新世代はマーヴェリックを立てることこそが最大のミッションなんですよね。
だからバディ感も関係図も至極記号的。
中身ありました?彼らのドラマに。
「先生!マーヴェリック先生!」
そういう風にしか見えなかったよわし。

自ずとルースターがフィーチャーされます。(特に技術的証拠も示されず)
ハングマンなんか完全に出落ち対象で、僕は本作で彼に一番感情移入しました。笑

みんなまとめて「能力不足」。
ああそうですかそうですか。
あくまで主人公は、マーヴェリック様ですからね。
なんと言っても彼が最強ですから。
ええ。ええ。

「あの若かった彼が、今じゃすっかり老いぼれてしまって。邪魔者扱いトホホ。嗚呼、老い。」
というよりは、
「やっぱりマーヴェリック。歳をとっても全然イケる!君がいないと、ボクたちやっていけないんだぜ!」

そう思えて仕方がないです。
だったらごめんだけど、ハナから世代交代なんて作劇しなくてもよかったんじゃないのよよよ。

若者を尚踏み台にしてしまうほど魅力的な圧倒的主人公。
「大人だけが気持ちいい話」
80年代のハリウッド映画に僕が覚える印象です。
トムクルーズさんは凄いよ。
本当にこれからもガンガン活躍して、映画界引っ張ってほしいとおもてる。
本作のアクションにかける俳優陣の情熱も、それを観客にわかりやすく伝えるための制作陣の努力も、僕は本当に評価してます。

けどね、いくらトップガンだとて、スポ根映画だとて、なんでも好き勝手やっていいってどうしても思えないんですよね。
そこまで僕は「トップガン」に思い入れがない。持てなかった。