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トップガン マーヴェリックのごのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

前作への最大のリスペクトがあるからこそ、悪いところを全て改変して完璧に仕立て上げた、見るアトラクション

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前作はヤリチントムクルーズがやりたい放題やってる描写やら、冗長な恋愛シーンに辟易とする瞬間もあった

だが、今回はそんなトムクルーズの軽薄さをいい意味で感じさせない映画になっている

それはトムクルーズが歳をとったこともそうだが、何より台詞回しや行動が、年老いた軍人の重みをもったそれとして描かれているが大きい

恋愛シーンに関しても、前作でイラッとしたセクハラ・性犯罪まがいの行動がほとんどないのはもちろん、バーでの一幕のようにトムクルーズのナンパさが懲らしめられる展開も多くあり、時代に即した映画をしっかり作ろうという意図を感じる

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一方で、前述の通りそうした改変をもたらしたのは、製作陣が前作へのリスペクトをしっかり持っているからである

だからこそ、オープニングからエンディングのクレジットまで、数えきれないほどのオマージュやリスペクトに溢れた映画になっている

管制塔を掠めたり、ビーチで裸で球技を嗜んでみたり、バイク乗ってみたり、というような名シーンベースではもちろん、カット一つとっても、「あれか!」とファンがにやけられる工夫が施されている

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じゃあ前作ファンしか楽しめないかというと決してそんなことはなく、ドックファイトのシーンやミッション遂行シーンの映像・音響の臨場感は、これまでに体験したことのないものになっている

Twitterに投稿されていた「あまりの音圧に天井が崩れた」なんてデマも、冒頭のエンジン音のあまりの音圧から、つい信じてしまいそうになった

ディズニーシーにあったストームライダーを何十分も体験しているかのような、もはや映画というより体験型アトラクションと呼んだほうが適当なんじゃないかと感じる作品である

映画の展開もお決まりながら決して飽きさせないもので(これがなかなか難しい)、初見、前作オタ問わず全ての人におすすめ

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あえて一つ言及するのであれば、前作同様敵国の描写が非常に曖昧である部分は変わっていない

そのくせして、随所に某国を想像させるようなキーワードを散りばめているのも事実で、アメリカという国でこの映画が作られることの危うさは確実に感じた映画であった
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