高橋ヨシキ氏の、"監督は野菜ばっかり食ってそうで、撮影監督は肉ばっかり食ってそう"というザックリすぎる例えが言い得て妙だった『トップガン マーヴェリック』。
監督のジョセフ・コシンスキーは初期に『トロン:レガシー』『オブリビオン』といった不評なSFを撮っていたそうで、たしかに見た目もなんだかSFオタクっぽい←
そんな彼が『オンリー・ザ・ブレイブ』に続き、ストレートに熱い血脇肉躍るアクション映画を撮り見事大成功をおさめた本作。
私はかれこれ1ヶ月くらい前に1度2D字幕で観ていたのだがあまり没入し切れず…その後2週間くらいして再度ちゃんとIMAXで鑑賞したらば没入感がマシマシになりけっこう楽しめた。なのでやはり間違いなくIMAXを推奨。
とはいえ、レビューするまでに計1カ月かかってしまったのには理由がある。細かいことなんて気にせず頭空っぽで観ればいいじゃん!スタンスで観た場合にはそれはもう4.5近く叩き出しているのだけれど、一方で多く指摘されてもいるような問題点にも"うんうん"と頷いてしまう自分も少なからずはいた。
今の世界情勢的にこの内容をそのまま娯楽として消費してしまっていいのか的な問題は、作られたのが3年前なので致し方ないとしても、やはり劇中のあまりの先制攻撃っぷりには前作より酷いじゃないかおいおい…と突っ込まずにはいられなかったし、あとジェニファー・コネリー演じるペニー・ベンジャミンの飲み屋でのくだりで、トムのちょっとした言動にガランガランと鐘鳴らして「全オゴリね~よろしく!」みたいな罰ゲームノリが普通にまかり通っている感じは正直少しだけノイズだった。恋愛シーンに関しては私は大いに楽しんだ。
また、"王道アメリカ実写娯楽大作"としてのスマートさで言っても、たぶん同じくトム主演の『ミッション・インポッシブル:ローグ・ネイション』の方に軍配が上がるのではないか?とも思う。まぁ私ごときがこの程度の引っ掛かりや疑問点を言ったところでビクともしないくらいの圧倒的支持作なのも重々承知はしているので、だからこそ正直に書かせてもらった。
とはいえ監督も"これはスポーツ映画"と公言しているくらいなので、そういうノリで観れば実に楽しい1作なのは間違いないし、そういう風に楽しめば良いのだろう。ハングマンとフェニックスの俳優は文句無し最高!面白かったです。