リンコロシネマ

金子文子と朴烈/朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキストのリンコロシネマのレビュー・感想・評価

4.0
時は1923年、関東大震災により大きく運命が転がり始めた金子文子と朴烈(パク・ヨル)というアナーキスト2人の壮絶な純愛物語。

『福田村事件』と全く時を同じくした時代背景の不逞鮮人と呼ばれた人達の関東大震災朝鮮人虐殺事件や朴烈事件を題材にした実話。

それにしても強い思想を持つ人間とはこれほどまでに(死をも恐れぬ)強靭な意志を持つことができるものなのか。

2人に共鳴するアナーキズム(無府主義)が国家権力に抵抗する時に発する強力なエネルギーこそ人間本来が持つ個のパワーなのだと確信できる作品でした。

金子文子を演じたチェ・ヒソ、観始めた時は日本人かと思うくらい素晴らしい日本語の演技でした。

ちょっとの間、この時代の映画を中心に鑑賞しようと思う。