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金子文子と朴烈/朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキストのmのレビュー・感想・評価

5.0
この映画を観た人なら分かってくれると思うが水野錬太郎が出てきて何か話す度にオラァァァ!!とアイアンクローをかましたくなってしまい本当にイライラした。

学生の時に授業で習った関東大震災の際のデマによる朝鮮人虐殺。その時にこの金子文子さんという日本人と朴烈という人がこういうことをしていたなんて、この映画を観るまで知らなかった。

文子が朴烈と同棲する時に交わした3つの約束。

その1、同志として同棲すること。
その2、私が女性であるという観念を取り除くこと。
その3、一方が思想的に堕落して権力者と手を結んだ場合には、直ちに共同生活を解消すること。

とても素敵じゃないか。

反日映画と思う人もいるだろうが事実であり、もちろん違うところもあると思うし昔も今も結局何も変わっていなくて、ブラッククランズマンの感想にも同じようなことを書いたけど私は日本とか韓国とかどこの国とかどこの国籍とかなにも意味がないと思う。嫌なヤツは嫌なヤツだし良い人は良い人だし。

おでん屋さんで日本人が差別的なことを言った時に文子がおでんの汁をぶっかけて「熱いかコノヤロウ!消えろコノヤロウ!」と言うところがなんか北野武みたいで笑った。そして朴烈が「時代遅れのサムライめ!」と言うのだけどなんだかサムライの意味を考えちゃうよね。。。ほんと。

2人とも思想が徹底していて、文子は私は私自身を生きるというのを最後まで貫いていた。

こういうちょっとエンタメ的な映画にしてしまうとめちゃくちゃカッコいい!ドラマチック!なんて軽い感じの感想になってしまうのだけど、実際はもっと酷く辛かったはず。

この元号が変わって天皇の話題でもちきりな今のタイミングで観たことは少し意味があったかも知れない。
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