蛇らい

寝ても覚めてもの蛇らいのレビュー・感想・評価

寝ても覚めても(2018年製作の映画)
4.2
麦と朝子、終盤のサイコパスぶりに度肝抜かれた。どちらも違うタイプのヤバさがある。

麦が現れて朝子と店を出た後に残された友人たちの呆気にとられた姿がそれを物語っていた。麦のサイコ感は先天的に感じたのでまだ理解できなくもないけれど、それを上回る朝子のサイコレベルにはビビった。

衝動的になって麦と店を出て、亮平と友人と縁を切り、スマホを車から捨てた時点でヤベえヤツだと思いつつ、それでもそのくらいの覚悟なのかと府に落ちる部分は残されていた。しかし、そのあとあっさり帰るとか言って、再開した亮平に謝るあたりは生粋のサイコパスそのもの。友人と縁切って、スマホ捨てたあの覚悟どこ行ったおい!と場内全員が的確なツッコミを心の中でしていたに違いない。言動、行動が怖すぎる。東出は『寄生獣』のときもサイコパス役がハマっていた気がする。

シーン毎に見せ場がバランスよく振り分けられていて、観ていて飽きる場面が少なかったように思う。ちょっとした会話の中にも、心情の機微が感じられたのがよかった。周りの登場人物たちも、世間一般の常識的かつ普遍的な意見や、言動を目立たせ、より終盤の二人のヤバさを引き立てることに成功していた。

そしてトーフの劇中音楽も効いていた。「RIVER」は名曲すぎること間違いないのだが、途中で流れた歌詞つきの別の曲は、どこで聴けるのかしら?
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