AkikoNakayama

寝ても覚めてものAkikoNakayamaのネタバレレビュー・内容・結末

寝ても覚めても(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

忘れられない恋人である麦と、彼の面影を持つ亮平の間で揺れる女性・朝子を描く。朝子と2人の関係は、作中のモチーフも対比している。麦との日々は花火や食事といった、終わりある消費活動とともに描かれる。刹那的な恋と彼の失踪を暗示している。一方の亮平とは、ボランティアや猫の飼育といった、自ら与える終わりのない行為に取り組む。ラストシーンで2人が臨む川は、テーマソングが歌うように、絶え間なく流れる愛の象徴だ。麦の登場で決裂した2人が、再び歩み寄る未来を示唆するかのようだ。
面影は双子のように同じでも、築いてきた関係に二つとして同じものはない。恋と愛との違いを、映像の細部に至るまで巧みに語る作品だ。
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