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望郷のmasaのレビュー・感想・評価

望郷(2017年製作の映画)
4.5
これは、心にずっしりと響く凄い作品でした。

カリコレのシークレット枠先行上映で観てきました。
上映後、菊地監督のトークも聞けてとても有意義でした。映画監督て凄い仕事してると改めて思った。

原作湊かなえ。監督菊地健雄。
原作は6編が収録された短編集で、そのうち「夢の国」「光の航路」を映画化。ある島で起こる2組の親子の過去と未来をつなぐ物語となっており、「夢の国」パートの主人公・夢都子を貫地谷、「光の航路」パートの主人公・航を大東が演じている。

しきたりに縛られ、窮屈さを感じながら島で育った夢都子は、大人になり幸せな家庭を築いていた。しかし、幼い頃から自由の象徴であった本土の憧れの場所“ドリームランド”が閉園になることを知り、ずっと思い続けてきたことを語り始める。一方、9年ぶりに故郷に戻った航のもとには、亡き父の教え子と名乗る男・畑野が訪れる。畑野の話から、父への誤解が解け、本当の姿を知ることになる。

この映画の主人公だけではなく、人は誰しも家族や故郷への悩みや、葛藤あるいは、解放されることのない罪を背負って生きていると思う。だからこの映画にとても感情移入するし、とても感動した。涙が流れてしまった。

撮影地は湊かなえの故郷であり、物語のモデルでもある因島で撮影されているので、島の空気感が伝わりとてもリアルだ。景色がとても綺麗。
改めて自分も自分の故郷と向き合いたくなった。
誰しも悩みはあるが明日に向かって一歩踏み出したくなる作品。
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