愛には、色々な形があるでしょう?
恋愛から始まって、家族愛に親子愛、ペットなどの動物に対する愛もそうかな。果ては、ストーカーだって愛の形の1つかもしれない。
更に、全部の愛の形ごとに、関わり方や距離感の違いもあるでしょ?両想いだったり、一方的な思い込みだったり、見守る愛もあったりと、本当に多種多様で千差万別ですよね。
それら、愛に関することを全部、1本の映画で表現してやるぞ!!
と、作品の見た目の可愛らしいルックからは考えられないほど、壮大なテーマに挑んでいる作品だと、俺は思えました。
そんな映像作品など観たことがないので、そのチャレンジ精神と心意気は買う!が、成功しているとは言えないかなぁ…。
と言いますのも、観客を置いてけぼりにして、劇中だけが勝手に盛り上がっていると感じたり、キャラクターの行動原理が不明で、あれ?何で?と思ってしまうシーンなどが、後半に進むに連れて多く感じられたからです。
その原因は明らかで、特に中盤以降、それまで丁寧に準備されていた、観客が感情移入するための段階を省いて、出来事だけを羅列して詰め込んでしまっているからではないでしょうか。
それもやむなしというのも解ります。伝えたいメッセージが壮大過ぎて、恐らく、描かなければならないことが多すぎるんですよね。
しかしながら、岡田さんがこれまで脚本を担当されてきた作品群は、出来事に至る積み重ねの丁寧さこそが、最大の魅力だと俺は思っていますので、すごく残念でした。
少なくとも、『あの花』『ここさけ』に関しては、長井監督の演出力が優れていた、ということなのかもしれないけれど…次の作品は、更に素晴らしくなると思う。岡田さん期待していますよ!