英国王室を舞台にした話は数多くあるが、どれもなかなか興味深い。一般人には未知の世界だからだろう。生まれてから死ぬまで王族として（しかも女王や王様として）生きなければならないってどんな感じなのか、それを私達が共感できる世界観を作るのが物語を描く側の仕事なんだと思う。特にジュディ・ディンチの演技で、観る方は彼女の心情に近づくことができたと思う。歴史を知っていればもっと楽しめたかもしれないが、私は予備知識も特になく観たので「一体いつの話なんだろう？」など、そこから入らなければならなかった。ある程度の歴史背景やヴィクトリア女王の人柄などを知った上で観てみるといいかもしれない。知らなくても、彼女と一般インド人アブドゥルの友情は暖かく描かれており、軽いタッチで心温まる話になっている。
