貧困や社会問題を子どもを通して見せられるのは苦手な方です。なんとなく偽善の文字が頭に浮かんでしまって。
この映画もそんな苦手タイプだったらやだな、と思いながら観てたけどちょっと違った。
見終わって感じたのは、これは大人になったムーニーが思い出してる子ども時代のひと時なんじゃないかってこと。それくらい掴み所がなくフワッとした夢の世界に見えた。
若すぎる母親は生活力も常識もないダメダメ女だけど優しくていつも一緒に遊んでくれる。
フロリダのカラフルな街、おやつみたいな食事、いつでもつるんで遊ぶ悪ガキ仲間。
ディズニーワールドの花火も倒れた大木も火事で燃えた空き家も遠い思い出のひとつみたいなね。
現実的なのはウィレムデフォー演じるマネージャー目線のシーン、あともう一人のシングルマザーのシーンくらい。
母親とは引き離されたのかも知れないけど、ムーニーはきっとしっかりした大人になってひと夏のフロリダを今懐かしく感じてるんだろう。そんな風に思わせてくれる映画でした。
