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月子のdarumaのレビュー・感想・評価

月子(2017年製作の映画)
4.5
ラスト20分で世界が変わる…(そういう事か!伏線。来なかったのではなく、来れなかったのかも、と。視点が逆転する)何故このタイミングでDVD発売なのかわかった。ユマニテさん贔屓を差し引いてもこれは観ておくべき。三浦透子ちゃんは素敵なダイナマイトスキャンダルで気になりだしたけど、これは代表作だと思う(通ずる部分がありダイナマイトのキャスティングに納得)。物凄く難役だけど、圧巻すぎる。実は井之脇海くん見たさだったけど、勿論彼もよき。やや荒々しい感じの真っすぐで優しい青年が観られます。王道主人公がとても似合うね。

ロードムービーなんだけど、これはその一言で括るには深すぎる。もしかしてあり得るのでは…と思える程、社会問題が詰め込まれてる。台詞(説明)がたまに過剰な部分もあったけど(見るだけでわかるから言葉にされると余計辛い)、物凄くリアル感があった…ラストのその後を想わずにはいられない。

意思疎通を図るのは難しい。それは相手の性質という事だけではなく、おそらくすべての人が持っているもの。そっと手を触れたら、パンの袋を開ける所にグッと来た。ああ、分かり合えてる…。そして指輪を薬指にする姿に泣いてしまった。きっとこの恋はうまくいかない、恋という言葉で括るものでは無いかもしれない、だけど、幸せになって欲しいと思った。

冒頭、幽霊みたいなシーンがあるんですが、あの一言にすべてが込められているような気がした。
人は何のために生きているのか…
そもそも人間って何なのか。

考えさせられた。
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