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人間機械のTOTのレビュー・感想・評価

人間機械(2016年製作の映画)
3.7
‪ グローバル経済と地域社会。
繊維工場の劣悪な労働、工場の外は産廃を漁る少年たち。
弱き者の下に弱き者がいて、強き者だけが高いびきをかく世界。
美しい布の前で、上で、染料と汗に汚れた体を預ける束の間の眠り、死に平穏を見る語りが悲しい。
轟音と、踏み込めない(踏み込まない)カメラの残酷がただただ突き刺さる。
工場の機械の一部のように蠢く人間の姿がまさに『人間機械』。
長時間労働に苦しみながら社長の顔も名前も知らないと会社に文句を言えず、かたや社長はそんな労働者の気持ちは歯牙にもかけない。
『鉱 ARAGANE』に似た魅力はありながら、また違う音とテーマの重層。
また違う地獄。‬
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