MikiMickle

キラー・メイズのMikiMickleのレビュー・感想・評価

キラー・メイズ(2017年製作の映画)
3.5
何かを作る気合いは充分だが最後までやり通した事のない男デイブ。
しかし、かれは見つけた‼ ダンボールで迷路を作る事をっ‼‼

週末の旅行から戻った同棲中の恋人アニーが部屋の中で目にしたのは、1畳半ほどのダンボールで作られた小さな建物。 小窓や煙突からは蒸気が吹き出している。
しかし、その中にいるデイブは「中は想像よりずっと広い。3日間籠っている。危険だから入ってきては絶対にダメだ」と。さすがに呆れるアニー。
デイブの親友ゴードンが駆けつけるも、デイブは中で自分の作った迷路で遭難していて外に出てこられないと(笑) はい??とw
彼を助け出そうとするアニーや、噂を聞きつけて興味本位で集まった友人知人観光客&カメラクルーは、デイブの制止もきかず中へと……
その内部は、本当に迷宮だった‼‼‼
そして、謎の段ボールミノタウロスが彼らの命を狙う‼

オープニングのこの部分だけでもニヤニヤしてしまう突飛出た設定と雰囲気。

まず、ダンボール迷路のギミックや各部屋の面白さにワクワクしてしまう。愉快で独創的で創造に溢れている‼ 詳しくは書けないけれど、ピアノの世界やトリックアートの世界やパペットの世界から始まり、様々な迷宮の内部と部屋が面白くて仕方がない♪次にどんな部屋に入るのか楽しみでもあり、私もこのヘンテコな世界に入ってみたい‼という気持ちでいっぱいになる‼
&こんなスプラッターシーンも今までに見たことがない‼なんて、なんて可愛らしいんだ♡

そして、実際の迷路内部セットも全てダンボールの手作りという素晴らしさっ♪
なんて素敵っ‼‼ 低予算手作り愛‼‼
私は手作り愛に溢れる映画が心から大好きなので、これは思いっきりツボに入った‼
低予算ゆえのイマジネーションに溢れ、なおかつ創造の楽しさをひしひしと感じる。作り手の楽しさが伝わってくる‼‼

そして、この映画は、不甲斐ないアーティスト志望の男デイブの深い心情そのものを表したものである。それの象徴的な体現化。
段ボールの深い迷宮の殻を作り出した意味。迷宮の深層部分が広がっていく意味。ミノタウロスの意味。
それらは幻想的であり、恐ろしくもあり、愉快であり、強迫観念でもある。人生には終焉はあっても、出口はない。
人生の葛藤の映画だった。

という本質の深さもあり、いい歳して中学生男子から抜け出せないようなデイブらと、それを愛おしいと思えるアニーの心の広さには愛を感じる。正直後半の脚本の甘さは感じるが、とにかく楽しいっ‼

もう一度言うけど、あれやこれやの紙製ギミックの数々は最高で、想像力と創造力を刺激される作品だった♡ あ、ホラー映画ではないです♪
MikiMickle

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