特売小説

OVER DRIVEの特売小説のレビュー・感想・評価

OVER DRIVE(2018年製作の映画)
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正直なところ怖い思いでもしようと、暑気払いの積もりで臨みまして。

理想と現実の落差に戸惑い自らの立ち位置をも見失う未熟者、ですとか、表舞台で孤軍奮闘する天才気取りと禁欲的な裏方の衝突、ですとか、一丸となって難局を乗り切る技術屋チーム、ですとか。

個人的に大好物、積極的に選択する題材が揃っており、詰まり、多少の説明不足も、偏った熱の入れようで以て語りが歪になっている部分も、補完が出来てしまいまして。

或いは、そもそも補完の必要もないくらいにベタ、既視感たっぷりの話が承知の通りの展開を見せてくれるものですからして山場になりゃそりゃあ気持ちが盛り上がらない事もないんですけれども。

でもそれって俺自身の経験則からくる条件反射に過ぎず、事実、感情移入が出来ていないから画面内の誰とハイタッチがしたいとも思えずもやっとした感情が湧いてしまう。

そのルールに関して自分は新谷かおるの漫画を読んでいたからなんとなく把握が出来たけれども、ラリーとその周辺文化の描き方に関しても魅力的に伝えようという気がないみたいになおざり、なぜ題材に選んだのかと疑問に感じるレベル。

詰まりこれはあれだ、やっつけ仕事として実に模範的な解答だわね。
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