クレミ

ワンダーウーマン 1984のクレミのレビュー・感想・評価

ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)
3.5
聖闘士星矢 in ワシントンD.C.

前作もそうだったけど、ガルガドットのワンダーウーマンが本当に素晴らしすぎて…!ワンダーウーマンとしてのかっこよさはもちろん、私服姿が最高に綺麗。彼女をキャスティングしたのはまじで正解。DCムービーの偉業。
クリスパインのスティーブも前作に引き続き本シリーズ屈指の常識人。ヤムチャ視点の彼が画面にいるだけでワンダーウーマンのハチャメチャさが程良く締まる良いキャラで、スティーブに関わるシーンだけちゃんとした質量や感情が感じられるのが不思議だ。

物語はというと、相変わらずオーバーで極端で無茶苦茶。
84年を舞台に置き、冷戦の匂いを感じさせながら、人々の欲望や願望にフォーカスし、ダイアナが司る「真実」と、欲望が生み出す「Fake」を対比させて物語が展開していく。伝えたい事は痛いほど分かるが、150分かけたとは思えない内容の薄さに留まっていて「一体何を見せられてるんだ?」感。前作にも増して雑なCGにもがっかり。明らかに違和感あるCGならむしろ映さないでくれ…

スティーブと別れる決意をするまでにダイアナにどういう心情の変化があったのかをすっ飛ばしすぎだし、そもそも悪役であるマックスの行動原理がまったく謎。共感もできなければ魅力的でもなく、最後まで「何をやってんだこのおっさん」で終わる。

唯一良かったとすれば、チーターとなるバーバラ。これで退場はあまりにももったいないので、次があればまた見たいなぁ。

小さい頃に見ていれば純粋に感動できたのかもしれないけど、人間そんな簡単に感情は動かないし核を増やしたり撃ったりしないので…スケールだけ大きくして時代や政治に絡めればいいってもんじゃないよと思いますけどね。
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