前作で充分に有終の美は飾れていたと思うのだが。幾多の困難を経て成長していく道を選んだクレイグ・ボンドを突き詰めていけば辿る結末はコレしか有り得ない。
正直シリーズでもかなりの禁じ手だと思うが大河ドラマ的構成にしたからこそ到達できた境地。濃厚にそれを描く為とはいえ160分なんて尺は007映画としては狂気の沙汰だし勿体づけたドラマ進行はらしくなくはあるけど。
前作で作品の精度を弱めて過去の作風にブリッジした上でバトンを渡したサム・メンデスも中々に漢だなと思ったけど更に今作で完全にクレイグ・ボンドを引きずらなくてよくなったからね。さすがは50年以上続くシリーズ。まだまだシリーズ安泰。
はてさて、死ぬまでにあと10本くらいは観れるだろうか……
