『青い瞳は生きた証し、それだけで永遠なんだ』
現役を退いたジェームズ・ボンドが過去から追ってきた真の敵を追うキャリー・フクナガ監督作品は、原点回帰の荒唐無稽テイストに現代のフィルムメイキングで挑戦することにより、クレイグボンドの集大成として有終の美を飾るスパイアクションシリーズの傑作。
地球にまだこれ程までに美しい場所があったのかというロケーションでの緊迫溢れる追走劇に痺れ、丸くなったと見せかけていつも以上に尖っていたF9に求めていた哀愁もあって、何をしたいのか不明で空気を漂っているような悪役像も極めてタイムリーである。
もはや役に対し役者人生が憑依しているとしか思えないD・クレイグに誰もついてくることができず、るろ剣の佐藤健に対する真剣佑みたいな存在がいたら違っていたかもしれないが、いっそのことアナ・デ・アルマスとの師弟映画だったら僕的に大変喜ばしかった。
鑑賞記録
2021.10.02
T・ジョイ横浜DolbyCINEMA
→冒頭のシルバーサルからのメインテーマで既にセンスの塊。爆発の耳鳴りがぐるぐる回りながら聞こえてくるなど、キャラクターの体感に特化したアトモスサウンドの極み。超絶美麗なロケーションカットはIMAXでも体感したい。
2021.10.10
グランドシネマサンシャイン
IMAXレーザーGTテクノロジー
→「大きいは正義なんです」と言わんばかりにうっとりするようなローションや美男美女で映像詩を刻む原始のIMAX体験。ずっと待っていた、これが観たかった。ストレートなサウンドもやっぱり良いですね。
2022.08.17
Amazon Prime Video 日本語吹替版