鹿苑寺と慈照寺

007/ノー・タイム・トゥ・ダイの鹿苑寺と慈照寺のレビュー・感想・評価

4.5
恒例のド派手なカーチェイスなどの追走激が始まるかと思いきやなんだかいつもと違い、雪で囲まれた家に親子が住んでいるシーン。そこに忍び寄るひとつの影。
とにかくいつもと違う。
そうこうしていると、これはマドレーヌスワンの回想だとわかる。
能面男から逃げるマドレーヌの上は氷の湖。氷が割れ、沈んでいくマドレーヌ。マドレーヌに向けて銃を乱射するショットから切り替わり、海から出てるくる現在のマドレーヌに切り替わる。このシーンがめちゃくちゃ美しい。「スカイフォール」で滝に落ちていくボンドのときに感じた美しさ。素晴らしい。

回想シーンを経てのカーチェイス。バイクの激走もめちゃくちゃかっこよかったし、なんと言ってもマドレーヌを車に乗せた後のシーンがすごい。
強化ガラスでどれだけ銃弾を受けようとも割れないんだけど、徐々にダメージを受け、ヒビが入っていく。ガラスにヒビが入っていく様が、ボンドがマドレーヌへの裏切りを確信させる過程になっていふのも面白い。あんなに愛し合っていたのにあっさりマドレーヌを捨てるなんて酷いぞ!!!

本作がダニエル・クレイグ版007の最終作らしいですが、最終作とは思えないほど、まだまだ観ていたいと思えるほど、新しいキャラクターの魅力が迸っていた。

何と言ってもパロマ。背中がざっくり開いたドレスとピンヒールで銃撃に格闘にドロップキックと大立ち回り。登場シーンはたぶん15分くらいだろうか。あまりにも魅力的だったので、「それでは私はここでお別れよ」って……、えー!って思いましたね。もっと見たかった!
少しおっちょこちょいなのも良い。
そして、ノーミ。好戦的でボンドにも皮肉を言うキャラクターだけど、なんだか憎めない。ああいう人って組織に1人は必要だし、何より頼れる。まだまだ観ていたかった。

ラストがあんな展開になるとは予想してなかったので、驚きました。
本作はいつも以上にギャグ的なシーンが多かったように思うし、何よりもボンドの笑顔が多いように感じた。最期も微笑んでいたしね。
色んな因縁とかしがらみから解放されたのかなと感じました。

ここからは余談。
僕はTOHOシネマズ日比谷の16時半の回で観たんですけど、皆さん、席を立ちすぎではないですか?
観る前はお手洗いを済ませておきましょう。
電話しながらスクリーンの前を横切るのは論外です。
エンドロールでも帰る人が多かった。映画館は頻繁に行ってるけど、あんなに帰るのは初めて見ました。もちろん本編が終わってるから帰るのは自由なんですけどね。笑
エンドロールで帰ってるから、エンドロールラストのJAMES BOND WILL RETURNを見逃してますよ!