Inori

007/ノー・タイム・トゥ・ダイのInoriのレビュー・感想・評価

3.5
オープニングタイトルまでの一連の最後のシーンで、私は泣いてしまったわ。レア・セドゥの演技が良かった。彼女が彼をすごく愛していることが分かった。そもそもボンドはどんな時も結構冷静で特に「悲しい」とか「愛しい」みたいな表情があまりない人なので、彼が実際に彼女をどこまで愛していたのかはよく分からなかった。でも彼女があのシーンで本気で彼を愛していたのは感じて取れた。実を言うと前作の『スペクター』を一回しか観ていないので内容はほとんど忘れている。観てなくてもこの映画は追えるが、最初に彼女がどういういきさつでボンドと共に旅をしているのかというのはパッと分からないので、前作予習もしておくと更に面白かもしれない。

世界の素敵な場所を巡ったり、カーチェイスやら組織内のおなじみメンバー同士のチームワークやヒエラルキーを垣間見ることができて面白かった。一瞬だけエージェントの私生活も観れるので、あー普通の人が仕事してるだけなんだ、というのも感じられて面白かった。

映画はボンドの彼の生き様の集大成をここで落とし込んだ感じになっている。ラミ・マレックは喋り方が落ち着いててなんか好感さえ持ってしまいそうな不思議な悪役だった。もう少し活躍するかなとは期待してたが…。

それでもやっぱり『スカイ・フォール』が一番良かったと思うのは、ボンドという人間を本当に理解しているMの存在と、ボンドと彼女の恋愛抜きの人間関係にフォーカスされていたところかもしれない。そもそも私はマデリーンのことをよく知らない…。(Mのことも良く知らないけど、ピアス・ブロスナン時代から見てきたキャラだもんなぁ。)
Inori

Inori