Wacky55

チャンプ/チャック 〜“ロッキー”になった男〜のWacky55のネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

ロッキーのモデルとなったプロボクサー、チャックウェプナーの波瀾万丈の人生を描いた伝記映画

Story:
物語の前半はまさに”リアルロッキー”。世界チャンピオン、モハメドアリとの対戦が決まり、多くのボクシングファンがアリの勝利を確信する中、試合は最終ラウンドまでもつれこみ、最終的には惜しくもKO負けにはなってしまったものの、チャックの奮闘は多くの人の心を鷲掴みにし、一躍時の人となった。
しかし後半の内容は、チャックの大しくじり。ロッキーの主人公のモデルになったことで有頂天に達してしまったチャックは、華やかでありながらも荒れた生活を送ることに。その結果、妻フィルと娘キンバリーから見放され、そして薬物乱用で逮捕。その後刑務所で、名声を追い求め過ぎしてしまったことに気づいたチャックは改心し、フィルと正式に離婚、娘とは手紙を通じて和解、そして以前から付き合いがあったリンダと再婚し、現在は彼女と共に酒のセールスをしながら幸せな生活を送っていることが語られ、物語は終了する

良点:
1. シンプルにStoryの内容が良かった。確かにこの作品を通して”ロッキーの恥、情けない男、自分の過ちを気付くのが遅すぎる”など、チャックに対して不快感を覚える人がいてもおかしくはない。しかし個人的に、この作品の一番のMessageは”大きな過ちを真摯に向き合うことの大切さ”ではないかと思う。世の中にはチャックのように過ちを向き合う人もいれば、過ちを一生認めない、気づかない、もしくは繰り返す人だっている。過ちを真摯に向き合えれば、必ず何かがある。深く反省する姿勢が、最終的にリンダやキンバリー、おそらく弟(色々とボロクソに言っていたが、おそらくチャックの事を一番心配していた)にも受け入れられたチャック。自分も”反省とは何か”、改めて学ばせてもらった。

2. EditingやBGMも良かったが、特にLighting テクニック またはOrange Lightingが物語の時代背景や雰囲気を上手く表現していて、とても良かった。

3. 本人とは似てないものの、リーヴ シュレイバーの渋みのある演技と声が非常に心揺さぶる

疑念点:
唯一疑念に感じたのは、Close up shotが多すぎるようにも感じた。特に会話の場面に関しては、緊迫感より圧迫感の方が強かった。これは人の好みにもよるが、個人的には、別のShotを組み込んでも良かったのではないかと思った。
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