いずぼぺ

顔たち、ところどころのいずぼぺのレビュー・感想・評価

顔たち、ところどころ(2017年製作の映画)
3.8
87才の映画監督アニエスと33才のフォトグラファーJRが、アーティスト同士としてタッグを組むドキュメンタリー。
フォトスタジオ付きのトラック(でっかいポラロイドカメラみたい!)でフランスの田舎を旅する二人はおばあちゃんと孫には見えない。アートに対してお互い妥協しない。
二人は「顔」にこだわる。田舎の普通の人々の「顔」、日常ではクローズアップされない「顔」がお気に入りだ。
二人のアートは想像力をかきたてる。アニエスはいう、「想像力は人との関わりよ」
二人がルーブル美術館のギャラリーを駆け抜けるシーンで、アニエスが叫んだ「アルチンボルドよ!」四季の連作、夏が写る。1560年代の作品とは思えないポップさである。彼女のお気に入りなのだろう。納得。
アーティストとして徹頭徹尾対等な二人なのだが、ふとしたプライベートの瞬間にばあちゃんと孫になるのがいい。でも、フランスの女性はずーっと女性。おっさんにはならないのね。さすが。
75