地元で撮られた映画なので、特別上映されており、思いがけず先駆けて観ることができました。
ドラマ性のある映画というよりはドキュメンタリーと演技の間な、そんな映画です。
実際主人公の子の自然な動きを汲み取って撮影していったのだとか。
子供を撮る映画としては過去最高ではないかと思うほど素晴らしかったなぁ。
日本人監督とフランス人監督の合作とのことでしたが、気どるところが全くなく、お2人の感性がちょうどよく融和されていたので、とても見やすかったです。
青森の冬は、大人から観ると「厳しい冬」とか、はたまた「美しい冬」とか何かしら形容詞がつきがちだけど、彼の目線を通すとそれがない。
ただ淡々と雪と付き合っている感じ。
当たり前に積もってるから、当たり前にその上を歩くし、当たり前に雪玉作るし、みたいな。
ワンちゃんと吠え合うシーンもそうだし、好きな場面がたくさん積み重なった映画だけど、雪藪のなかをざくざくかき分けて、すとんっと横になるところが一番好き。
あれをすると、無音で雪が降る音だけがして、ジャンパーに降った雪は結晶が見やすいんだった。
なーんて、思い出しました。
いつから余計に考えるようになったんだろう。
雪の中をざくざく歩いて、疲れて、寝息を立てながら、泥のように眠る。
素晴らしい瞬間を切り取った、良作です。