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友罪のpepeのレビュー・感想・評価

友罪(2017年製作の映画)
3.6

「友達が過去に人を殺したことがあると知ったら、どうする?」
という問いに、

私は「縁を切る」
と答えると思う。

どんなに憎い相手でも、
殺人は〝絶対に超えてはいけない一線〟
だと思うから。

そして、過去に殺人を犯したことがある人は、
その一線を〝超えられた〟人だから。



正直、
この作品を観たら私は自分のこの考えが揺らぐと思っていた。
互いの人生に絶対に不可欠な存在だという友情をまざまざと見せつけられ
その大切な友人が少年Aだったと知った後の葛藤に苦しむ姿に自分を重ね
「すごく難しいけど…たとえ少年Aだったとしても、罪を償い、幸せに生きて欲しい。そして私はこれからも友情を育むと思う」
と言っている自分を期待していた。

だけど、残念ながらその想いには至らなかった。
友情を描くシーンが圧倒的に弱かったように思う。

色々な立場の人を描いていて
それぞれに考えさせられるところはあったけれど、
詰め込み過ぎたことで一つ一つが薄まってしまったのが本当に勿体なかった。
この作品の中の題材で3本くらい映画が出来そうなボリューム。
もっともっと丁寧に味わいたかった。
このキャストならそれが可能だっただろうと思わせてくれただけに、本当に惜しい。
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