喫茶店『フニクリフニクラ』のとある席に座り
過去に戻って会いたい人に会いにゆく人たち。
彼らそれぞれの短編小説を読んでいるかのよう。
…いや
短編小説よりももっと短い、
コーヒーが冷めるまでの僅かな時間のやり取りだけで
その人の今置かれている状況や心情が手に取るようにわかる。
泣きました。
薬師丸ひろ子さん。
彼女の笑顔にいつも泣かされます。
可愛らしいお顔立ちなのに
落ち着いた声や話し方が安心感を与えてくれる。
大好きな役者さんです。
『起こってしまった事実は変わらない』
という設定も良かったです。
過去に行ったところで事実は変わらないけど、
自分の捉え方・考え方が変わることで
光が差し込むことがある。
未来が変わることがある。
ファンタジーはどちらかと言うと苦手なのですが、
押し付けがましくなく
サラッとそこにメッセージを残していくようなこの作品は好きでした。
冒頭の音楽にカリンバが使われていたのも
個人的にポイントが高かったです。
不思議な体験が出来る『フニクリフニクラ』への入り口として、
とてもマッチしていたと思います。