日央

タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜の日央のネタバレレビュー・内容・結末

4.6

このレビューはネタバレを含みます

長年タブーとされあまり知らされて来なかった韓国で起きた光洲事件。

韓国軍が自国民を大量虐殺した事件の一つであり、軍による一斉射撃などで一般市民に多数の死者を出した。

1979年、朴正熙大統領の暗殺後、「ソウルの春」と呼ばれる民主化ムードが続いていた。しかし、軍部では維新体制の転換を目指す上層部と、朴正煕に引き立てられた中堅幹部勢力との対立が表面化し、全斗煥により人気のあった金大中が逮捕され市民の怒りは爆発し、これが光洲事件の発端となる。

全斗煥はエリートだった兵士達を格下げした事により、不満が溜まりそれが市民への無差別な殺戮へと繋がったとある。

この事件を報道する為に日本から韓国を訪れたドイツのピーター。彼を大金を得る為に運ぶタクシードライバーのキムを名優ソン・ガンホが演じてます。

最初は彼を光洲まで運ぶが、光洲で何が起きているかが全く分かりません。それはそのはずで、軍は情報規制していたのです。

ピーターは光洲の現状を世界に知らしめる為にやって来たので、キムは巻き込まれる形になります。

緊張感など欠片もなかった物語が一変、あまりにも悲惨な光洲の現状。軍は容赦なく市民や彼等の命を狙ってきます。

もう40年も前とは云え、日本人の私達には無縁な、軍の内乱からの市民を巻き込んだ事件は、長年あまり知られて来なかった事もショックを受けます。

たまたま居合わせた市民までもが犠牲になった事も知りましたし、何より真実か分かりませんが、金大中による自作自演が起こした事件とまで今では言われてます。

軍は国を守る為に存在するはずが、自分達の覇権争いで、多くの市民の命を奪うなんて、人間はいつまで醜い争いを続けるのか?

それが1980年代ですからね。

ピーターはキムのお陰もあり、撮影した映像を世界に公開するに至りました。

ジャーナリスト魂を感じると共に、タクシードライバーがキムであったからこそだったと思うと運命的な出会いだったんですね。



◼️物語、構成 4/5
◼️演者、演技 4/5
◼️演出    4/5
◼️衣装、メイク3/5
◼️音楽    4/5
◼️美術    3/5
◼️満足度   5/5
◼️万人受け  4/5
◼️病みつき度 3/5
◼️涙     3/5
◼️恐怖    3/5
◼️安らぎ   1/5
◼️笑い    1/5
◼️アクション 2/5
◼️謎解き   1/5
◼️エッチ度  1/5
◼️グロ描写 2/5
◼️胸糞 1/5
◼️歴史的背景 5/5
◼️元気貰える 1/5
◼️睡魔    1/5
日央

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