「俺は運転手、あなたは客だ」
まさかこんなにハードな映画だっとは……。
タイトルと、ポスターのソン・ガンホのニッコリスマイルで、
田舎のタクシー運転手と、地元の人々、
もしくは海外からきた一人の観光客との間に育まれる友情を描いた、ホンワカ感動作だと思ってました。
しかし実際は、韓国の光州という場所で起こった軍の不当な一般市民への暴力が行われた事件を主軸にした、ハードな社会派作品だったのです。
なにかを捨てても真実を伝えなければならない。そのメディア論的な要素がありました。
それでもメインテーマは"友情"です。
"人情"です。"愛情"です。
言葉が通じない版「コラテラル」の様に始まるドイツ人ジャーナリストとソウルのタクシー運転手の友情、光州のタクシー運転手との友情、それが繋いだ"希望"を必ず海の向こうへ届けなければならない。
ローグワンもビックリな感動作でした。
冴えない男が自問自答を繰り返し、なけなしの勇気、人間性を振り絞って利他的な行動をする姿は、否応無しに涙が溢れてしまいます。
もう終盤はタクシーがXウィング級にカッコよく見えました。
本当に残酷で非道な本件は、僕自身まったく知らなかったです。
こうして映画となり多くの人に観られ、知られる必要がある重大な事件ですね。