りお

タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜のりおのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

信頼の韓国映画ということで、あらすじに目を通さず鑑賞。
実話ベースということとタクシー運転手が遠くの町へお客さんを送り届ける、程度の事前知識しかなかったし、キービジュアルの印象から勝手にコメディだと思っていたので、ストーリーが進むにつれあまりにもシリアスな内容に思てたんと違う!ってなりました。
光州事件て私が生まれる少し前ですが全く知らなかった。
男手一つで娘を育てるタクシー運転手の主人公が、高い報酬を目当てにドイツ人の新聞記者を光州まで送り届けることになるが、検問所で追い返されるなどなかなか目的地へたどり着けない。
記者として光州で起こっている真実を持ち帰らなければならない使命を燃やすドイツ人記者は光州入りを果たすまで報酬は払わないと主人公に言い出し、困った主人公は再び光州入りを目指すが、そこには今まで報道されて来なかった真実があった・・・
全てが実話に基づくエピソードではないとはいえ、光州入りしてからの展開はとても心を揺さぶるものでした。
ドイツ人記者、デモの中心である学生や市民、同業者であるタクシー運転手達と交流するうちに、彼らの真実を伝えようと危険を顧みずに取材にあたるドイツ人記者に協力的になっていく主人公の心情の変化は涙なしには見ていられない。
関われば命を落としかねない状況で、自分の判断で現地へ戻る決心をしたシーン、銃弾に倒れた学生や市民を助ける為にデモ鎮圧隊の前にタクシーで突っ込むシーンはテンションあがりました。
真実を持ち帰るドイツ人記者を生きて帰す為に主人公達が奮闘するラストのカーチェイスは蛇足感が否めなかったけど、韓国映画にはマストな展開なので、脚色とわかっていながらも手に汗握りながら観てしまった。
エンドロールのこの物語のモデルになったドイツ人記者の方のインタビュー映像も印象的。
国境を越えた絆で結ばれたタクシー運転手の彼とは結局再会を果たせずにこの世を去られたようで、最後の最後まで涙が止まりませんでした。
天国で再会出来るといいなあ。
りお

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