骨折り損

犬猿の骨折り損のレビュー・感想・評価

犬猿(2017年製作の映画)
4.1
血が繋がってるってめんどくせえ。

大嫌いな人、大好きな人、色んな人がそれぞれの人生にはいる。
でも血が繋がってる人だけは好きか嫌いかだけでは片付けられない。
たとえ大嫌いでも家族は一生その人の人生についてくる。
自分の選択だけで人間関係は選べないからこそ上手く折り合いをつけながら生きていく必要がある。
そんな家族との関わり方を考えさせられた。

いやーそれにしても主演の4人全員ハマり役だったが、特に江上敬子の演技が上手くて最も輝いていた。私の映画よ!とでも言わんばかりの存在感を感じた。もっと他の映画でも見たいと思った。

そう思うのは彼女の演技力ももちろんだが、監督の観察力がとても優れているのかなと感じた。最高のキャスティングに加えて、作中の至る所で見られる嫌に生活感のある表現の数々が共感ポイントをひたすら積み上げていく。

気持ちがとても分かる作品だっただけにエンディングのチープさが残念だった。
2組の兄弟が同じタイミングで同じ局面になるのは、必然性を感じられないのでご都合主義が過ぎる展開で少し冷めた。
あと、それぞれの幼い頃の映像もなんだか急な安っぽい演出でやめて欲しかった。

最後にかけて評価が下がる演出が目立ったが、全体的にはかなり楽しめた。
骨折り損

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