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レザーフェイス―悪魔のいけにえの消費者のレビュー・感想・評価

3.7
・ジャンル
スラッシャー/ホラー

・あらすじ
殺人一家ソーヤー家に産まれた少年ジェドは猟奇的な家族に馴染めずにいた
しかし‘55年、保安官ハルの娘を一家が殺害した時に児童保護の名目で更生施設に入れられてしまう
名前をジャクソンと改められ家族との面会も許されず医師ラングは患者である犯罪者の家系の少年少女達を雑に扱い問題を起こせば電気療法室行き…
そんな中で彼は患者想い新人看護師リジーに想いを寄せていく
更生し普通に生きる事を願うジェド
だが母ヴァーナが施設から連れ出そうと画策した騒ぎをきっかけに問題児の患者アイクとクラリスのリジーを人質とした逃亡に巻き込まれてしまう
行く先々で犯罪を働く2人からリジーと親友バドを守りながら逃げる隙を窺うジェド
一行を殺そうと執拗に追跡を続ける保安官ハル
これは後に殺人鬼レザーフェイスとなるジェド・ソーヤーの過去を描いた物語である…

・感想
人皮マスクとチェーンソーでお馴染みの殺人鬼レザーフェイスとその家族の凶行を描くシリーズ8作目
今作は前作の前日譚でジェドがレザーフェイスとなるまでを描いた物となっている

前作やリメイク版2作と同様に激しいゴア描写や絶妙な不快描写はなかなかに過激
痛々しさという面でもシリーズ全体の中で上位に入る出来だった
ただ前作において8歳児程度の情緒や知能しか持ち合わせていないとされていたレザーフェイスことジェドがごく普通の不良少年として描かれていたり闇堕ちするまでが大分長めだったりと本シリーズに期待する様な内容と掛け離れた設定になっていたのは残念

シリアスに悲哀や狂気を紐解いていくストーリー自体は決して悪くはない
でも「悪魔のいけにえ」シリーズに求めているソレじゃないんだよな…
最も大きな問題はやっぱりジェドのキャラクター造形
患者仲間のバドの方がレザーフェイスのイメージに近かったから彼をジェドにしていた方が良かったかも

一方、ジメッとした世界観は前作よりも強くてリメイク版のソレに近い物がありそこは悪くなかった
その上で痛々しいゴア描写(銃によるジェドの顔面破損、保安官ハルの惨殺、リジーの斬首、豚の餌にされる犠牲者達など)もドロドロしていてかなり良い
中でも好きだったのが牛の死骸の中に潜伏するという良い意味で最悪なシーン
血みどろ且つ強烈な不快描写でもあるここは印象的だった
終盤のジェドの葛藤も更生の困難さを克明に描けていたと思う
それに関わる部分で言うと他の患者達の背景も説明が過不足なくちょうど良かった

とはいえ「屋敷女」のコンビが監督してトビー・フーパーもプロデューサーとして参加している事を考えると期待外れなのは否めないかな…

いよいよ次で現時点での最終作
ネトフリオリジナルという事で期待しているし裏切られないと嬉しいなぁ…
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