風の旅人

花筐/HANAGATAMIの風の旅人のレビュー・感想・評価

花筐/HANAGATAMI(2017年製作の映画)
3.5
冒頭から合成された桜吹雪の舞う不自然な映像が流れ、登場人物は不自然な台詞回しを繰り出す(36歳の窪塚俊介と42歳の長塚圭史を17歳の役に当てる謎のキャスティング)。
その後もわざとらしい演出のオンパレードで、物語の虚構性を強調する。
「なんじゃこりゃ!」と思いながら観ている内に、やがて不思議と気にならなくなり、それが独特の魅力になってくる。
好き嫌いの分かれる作風で、手放しで絶賛はできないが、認めざるを得ない力作。
因果関係のある物語を線的に語るのではなく、「イメージの連鎖」(隠喩)を積み重ねる手法が用いられる(赤い花弁や赤ワインを血に見立てるなど)。
故に、面白いシークエンスとつまらないシークエンスが交互に訪れ、評価に戸惑った。
月夜に赤いドレスを着た圭子(常盤貴子)は神々しいまでに美しかった。
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