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カランコエの花のminamiのレビュー・感想・評価

カランコエの花(2016年製作の映画)
2.5
なんだかなぁ。
映画としてはよくできていると思うけど、観終わったあとに、つい「なんだかなぁ」と口からこぼれてしまう。

高校生のリアル、教師のリアルが詰まっていると思う。
だれが悪いなんて、わざわざ人間を善悪で区切ってしまうような無粋なことは言いたくないけど、教師に責任があるよね……。

保健教諭の気持ちもわかるけれど、まだ10代の彼らにあんな話をして騒動になるのは容易に想像できるし、せめて全クラスで同じ授業を行うとか、もっとうまいことできたと思う。

でも教師ももちろん完璧じゃないわけで。
だからああいうふうに気持ちばかりが先走って行動に及ぶこともおおいにあると思う。
本人はよかれと思ってやったことだし。
それがリアル。

特にこの映画が制作されたのは2018年で、今よりさらにLGBT(そもそも「LGBTQ+」じゃないんだ、って感じだし)への理解は浸透しておらず、今だって難しいんだからだれも完璧な配慮なんかできないよね。

あー……でもほんとに一人ひとりの行動や発言の選択がリアルで、トゲが刺さるようだ。

「レズビアンなんかじゃない」って、それだけは言っちゃだめなことなんだけど、高校生に咄嗟に正しい判断ができるわけないよね。
というか、「正しい判断」自体が相手によって変わるものだから、だれも実現できないことなのかもな。

短いけどそのあとも苦しみの余韻が続く映画だなぁ。
エンドロールの楽しそうな桜ちゃんの声と最後の笑顔が切ない。
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