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カランコエの花のmugichanのレビュー・感想・評価

カランコエの花(2016年製作の映画)
5.0
悲しいけど、残酷だけど、リアルだった。劇の最後に「先生、また話に来てもいいですか?」と聞いた桜ちゃんの嬉しそうな笑顔が美しくて儚い。

当事者がいるクラスにだけ保健指導を行う養護教諭も、差別を恐れて存在を否定する担任も、好奇心のままに当事者を探るクラスメイトも、真実を知りつつ手を差し伸べられない生徒も、”守れる”と思って事実を否定する友達も、認められたいけれど方法がわからない本人も、全員がそのままの姿だと思った。

主人公にカランコエの「あなたを守りたい」という花言葉を母親が教えるシーンは、桜ちゃんを取り巻く人たちの形は違うれけど様々な”守りたかった”という気持ちを暗に示していたのだろうか。

特に、エンドロールで桜ちゃんが想い人について楽しそうに話す演出がこれでもかというくらい物語を際立たせていて良かった。どうか、桜ちゃんのその後に光がありますように。
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