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さくらのmugichanのレビュー・感想・評価

さくら(2020年製作の映画)
2.7
暖かいんだけど、詩的表現やセクシャルマイノリティの表出とか、原作者か監督の気持ちが大きすぎて脚本と世界観の邪魔をして現実世界に見えるけどファンタジーにしか過ぎない違和感がずっとずっとある。優しい世界を創ろうとした結果、かえって偏見だらけになってしまったこの作品に高い点数をつけるのは自分のプライドと経験が許せない。美貴は一お兄ちゃんのことが好きだったんじゃないかとずっと思っていたけどやはりそうか…。一度目は矢嶋さんを兄が好きになった時、二度目は一が事故で左半身不随になった時、防衛機制が働いて狂ってしまったのだろうか。一つ一つのマイノリティは確実に世界に点在するんだけれど,それがここまで混在することは恐らくあり得ないし、流石に奇妙すぎる。こんなに暖かい家庭が、ここまで散り散りになってしまうことは殆どないと思う。愛には何度でもやり直しが効いて、引き戻せる強い力があったはず。製作者の伝えたいメッセージが溢れたばかりに、凄惨な目に遭わされた長谷川家が不憫とまで思う。一の愛を知って優しい顔になっていく矢嶋さんと、家族の空気が重くなった時にいつも机の下に潜り込んでるさくらがとっても可愛かった。
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