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彼女のmugichanのレビュー・感想・評価

彼女(2021年製作の映画)
3.4
作品の演技や脚本、映像を賞賛したツイートに惹かれて鑑賞した後に、パブサしたらフェミ寄りの人達や性的マイノリティに保守的な立場の人達からの多量なバッシングツイートも見て日本がまだまだ混沌としていることを再確認した。

作品を評価するのに他作品名を出すのはタブーである可能性を踏まえた上で言うと、『おやすみプンプン』をベースに『アデル、ブルーは熱い色を今』を混ぜたような話。他の方々が述べているように主演女優2人の体当たりな演技が最高に美しくて苦しくて醜くて素晴らしかったと思うし、例えそこに中身がなく薄っぺらいと言われたとしてもそもそも初恋相手の為にモラハラ旦那を殺して逃避行するような人間共に何の意味や深みを求めているのだろうかとも思う。側から見たら可笑しいくらいに単純で真っ直ぐで儚いものじゃないの?駆け落ちするくらいの恋愛って。それが例え陳腐だったとしても私は好きです。

①濡れ場が多いことと②監督が男性であることに関連性をつけて、同性愛をレズビアンAVのように性的搾取していると非難する声が目立つけど、それはそもそも性的マイノリティではない人間特有の視点じゃないのだろうか?と思った。そこに悪意も善意もないのだろうけど、濡れ場が多くて男性監督の映画でも「何これ、AVみたい」と思わない作品なんて山ほどあるだろうに。かくいう私自身も濡れ場のシーンはすっ飛ばしてしまったけれども、マイノリティについてマイノリティではない人間が何を考えようと合点はいつまでもいかないことを知っているのでヘテロではないレズビアンやバイの人達の感想が率直に聞きたいと思うばかりである。
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