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マノロ・ブラニク トカゲに靴を作った少年のSのレビュー・感想・評価

3.8
マノロ・ブラニクの生涯と、ブランドの軌跡、彼の愛する文化や工房の様子、著名人との交流が散文的に描かれたドキュメンタリー。

シニカルで神経質で頑固だけど、社交的
職人気質だけど、“売り方”を知っていて
拘りはあるけど、大衆への迎合の仕方もしっている
(だからこの映画撮影もOKでたんだろうな
本人がこの作品に満足してるのかは謎だけど)
クラシカルな物が好きだけど、様々な文化を融合させて新しいものを生み出してる

そんな分かるようで分からない、自分をあけすけに見せているようでその実何もよくわからない、マノロ・ブラニクの複雑そうな気質が窺えた。業界の人~ってかんじ。

少年時代に過ごした、カナリア諸島での俗世と隔絶された楽園のような暮らしが、彼の美しさへの拘りや創作の原点になっているんだろうなと感じた。

70年代のいい時期にロンドンに移住したな~と見ていたら、
ビアンカ・ジャガーとかセレブたちとの交流で顔を売って
NYで名物編集者のダイアナ・ヴリーランドに引き立てられたり
VOGUEの表紙を飾ったりして界隈で認められていく歴史も面白かったし

パロマ・ピカソとかジョン・ガリアーノとそんなに仲良しなのか~というのも初めて知って面白かった。

ドキュメンタリーとしてよい出来なのかが正直わからないけど、ファッションをよく知らない自分からするとへー!という新鮮さはあった。
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