賢太郎

モリーズ・ゲームの賢太郎のレビュー・感想・評価

モリーズ・ゲーム(2017年製作の映画)
3.8
ジェシカ・チャステインを知ったのは『女神の見えざる手』という傑作でした。あの赤いリップが特徴の冷徹なロビイストとしての役はなかなかに強烈だったので、今作でも若干その陰が見えなくもない、というよりジェシカにまさに精神的に“強い女性”を演じさせたら天下一品だと思います。マーゴット・ロビーとはまた違う意味で凄く好きな女優さんです。

今作ではモーグルの五輪選手として出場することを目指していたモリーがある試合をきっかけに選手としての道を断念して、働き始めることに。 モリーの強いところは決してそこで"折れてしまわない"ということ。そしてその精神力に加えて"頭脳"も持ち合わせていること。だからこそ全く違う世界に没入することになってもその才覚を発揮させていくわけですけどね。

アングラなポーカー・ゲームで最初はアシスタントとして活躍しますが、次第に自分のゲームルームを持つ主催者側の立場に変化していきます。この辺りの参加しに来る客の富裕層の面々や、危険さを匂わせるキャラクター等の描き方が個人的には好きでした。ただあれだけの才覚があってもロシア系の面々には気付かないものなのかな?と少し疑問でしたが笑。

今作はある意味で"お父さんとの関係"みたいなところが常に付き纏っていて、モリーが何故こういうことをしているのかという深層心理を探っていくとその辺りにルーツがあることが分かります。物語としては意外と平凡な作りなのですが、役者が上手いから濃密なストーリーに見えるのが流石でした。
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