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二十六夜待ちのkazataのレビュー・感想・評価

二十六夜待ち(2017年製作の映画)
2.0
これはオカシイ!
ちゃんと芝居ができる二人がいて、それなりに面白そうな設定があって、東日本大震災ネタも合わさってるのに……驚くほど面白くない!!

(最近見た"震災&性"をテーマにした映画だと、廣木隆一監督の『彼女の人生は間違いじゃない』や、荒井晴彦監督の『火口のふたり』があるけど……本作はどこをどうしたらこんなにも心に響かない&残らない映画になっちゃうの?レベル)

(映画内世界とは無関係に「いろいろ配慮してるんだろうな」ってことがもろバレしちゃうセックスシーンの雑さ…)

(狭いロケセット内で、段々二人の距離感が縮まっていく演出的な工夫は良かったです!)

とにかく、
(二人の演技力でカバーしてるけど…)意味ありげ風なメタファー台詞のオンパレードと、ひたすら冗長で意識が飛びかける非効果的な長回しと、「この件いる?」な説明シーン続発が苦痛。
(叔母さんが倒れた件も全カットでOK)
("なんでもかんでも例えなきゃ気がすまない病"にかかった後半は逆に笑えます…)

例えば、新さんの記憶喪失説明シーン→記憶を再び無くすかも…な恐怖を吐露→突然出てきた義足キャラによる"脚は無いけど身体と頭は覚えてる"という説明→頻出する"記憶は無いけど魚のさばき方は覚えてる"という描写……一事が万事くどすぎるんだってば!

(原作小説は障がい者と幻肢痛をテーマにした短編集らしく、その中の一つを映画化したらしいけども……長編化して失敗の典型例では?)

(本作の"ツラい過去を忘れたい"という主人公よりも、"無かったことにはできないから"と言ってた『彼女の人生は間違いじゃない』の主人公の方が僕は好きです)


それと、いくらツラい事情を抱えていようが、訴えられたら即アウトな男脳丸出し過ぎるセクハラ描写と、それを簡単に受け入れてしまう女子=素性もわからない男の欲求を全て受け入れる女性キャラ(を描くから勘違いする輩が減らないのかも…と思いたくなっちゃうほど同時代性の無さ!)は、作り手の意識を疑いたくなるレベル。
(二人の関係性が変化しないまま最後まで行っちゃうし…)
(現状だと、「結局、新さんがカッコいいからOKなんでしょ!」って思っちゃう…)


せめてあと"26分尺削って"くれたら面白くなったかもね(苦笑)
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