【記録】

ドキュメンタリー映画。
絶滅に瀕する野生動物（サイ、像等々）を捕獲することをスポーツとして愉しむ人々、そしてそれを商業的活動として支える団体。（これがタイトルの「Trophy」の由来）
一方、それら野生動物を保護する立場の人々。
このドキュメンタリーでは一つ縄ではいかない複雑な利害関係、直面する現実にスポットを当てている。
例えば、保護活動にも資金が必要になる。サイの保護する傍ら、その角を売買してその資金を得ている。それは批判されるべきことなのか？

野生動物の射殺場面等、目を覆いたくなるようなシーンも多くあるのだが、現実を直視し、この複雑の問題の一端をドキュメンタリーとしたことが評価できるところだと思う。単なる、善悪に留めるのではなく。

この映画は観るべきドキュメンタリー映画。何故なら、
①そのような事実に今まで気が付かなかったことを恥じる気持ちを思わせる。
②観た後にその事実を深く考え込み、もっとその周辺情報を得ようとする気持ちになる。

角を狙う密猟者によって絶滅の危機に瀕しているサイを中心として、種の存続のために"狩りを推進"する活動する人々を映したドキュメンタリー映画。
狩りと動物愛護の両立、という難しいテーマを扱っている。一見矛盾した真逆のアプローチに思える相関は、単純に面白かった。殺しの快感に魅入られた/金に憑りつかれた人間たちによって積まれる動物の死体が山を築くと同時に、不思議にも生態系を取り戻していく。大金を払って狩りをする人間がおり、その金を使って動物愛護が行われるという、違和感を覚える循環。サイの角の販売を違法化したことによって、密漁が倍々で増えていったという話がイソップ物語かのようで興味深い。なんでも禁止すれば良いものではなく、本質を理解した上での適切な法の整備が求められると思った。が、どちらにせよ動物一体一体の"個"の死には言及せずに、総量としての生態系を守っているから善であるという主張には賛同しかねる。食物連鎖や弱肉強食の自然の摂理だと言われても、結果的には人間と動物の共生の限界に行き着くような気がしてしまう。