Jun55さんの映画レビュー・感想・評価

Jun55

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チェンナイの夜(2017年製作の映画)

4.3

IMW2025にて鑑賞。
ローケーシュ・カナガラージ監督のデビュー作、IMDb8.1の高評価ということで楽しみにしていた作品。期待通り出来栄え。

カールティク・スッバラージ監督もそうだが、南インドで
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カルキ 2898-AD(2024年製作の映画)

4.0

RRR以降、インド映画のグローバル化が一気に進んだような気がしているが、この映画はハリウッド映画を相当に意識した作りになっていて、SF作品ということでインド映画としては新鮮味がある。
(監督曰く、構想
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シネマ歌舞伎『ぢいさんばあさん』(2025年製作の映画)

4.0

森鷗外原作ということで鑑賞。
シネマ歌舞伎は初めてだったけれども、悪くない。

この作品は鷗外の歴史物小説で、ほっこりとする作品。
数ページの短編なので、どのように仕上がるのか関心があったけれども、演
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Maharaja(原題)(2024年製作の映画)

4.6

VJSの50作品目ということで注目していたタミル語映画。
IMDbで8.5点と高評価。
他の映画批評を見ても高い評価を受けている。
監督は2作品目ということで無名に近いのか?

ジャンルとしてはアクシ
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黒い雨(1989年製作の映画)

4.0

井伏鱒二の小説を読んだのち鑑賞。
原作は、被爆者の日記をベースにしており、ドキュメンタリータッチ。
淡々としているのだが、詳細の事実で積み上げられ、それが真実感を迫りくるものにしている。

この映画は
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JAWAN/ジャワーン(2023年製作の映画)

4.5

インドで大ヒットしたボリウッドとコリウッド(タミル)のコラボ作品。
アクションに社会性テーマを正面から取り扱う熱い映画。
豪華で贅沢な俳優陣を活かしきった若いアトリー監督(原作、脚本)も凄い。
でもや
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古都(1963年製作の映画)

4.2

川端康成の小説を読んでから鑑賞。
本映画作品は、アカデミー賞外国映画賞にもノミネートされたらしい。
エンターテイメントというよりも、日本美を意識した作品だと思う。

この小説の魅力のひとつが舞台となる
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ハヌ・マン(2023年製作の映画)

4.3

今年インドで大ヒットしたテルグ映画。インド版スーパーヒーロー映画。
”インド版”の好きなところは、過剰感、大袈裟さ感にあり、この映画ではスーパーマン、スパイダーマン、バットマンのアイデアが入っている?
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SALAAR/サラール(2023年製作の映画)

4.5

KGFファンとしては見逃せない作品。
IMDbの評価が低いので、心配もあったが、期待以上の出来だった。

ストーリーの展開の捉え所は、KGFを観ているとすんなりと入ってくるのかもしれない。
リッチなコ
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ウスタード・ホテル(2012年製作の映画)

4.2

2012年、マラヤーラム語映画。
当時、インド国内の映画賞を多く受賞、IMDbの評価8.2と高い。

テーマに「食」があり、ケララ州のローカルフードについて学ぶところもあり。

大資本と地元家族経営レ
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インサイド・ヘッド2(2024年製作の映画)

4.4

2015年公開の「Inside Out 1」を、当時、鑑賞した際に、テーマ設定に斬新さがあり、強い印象が残っていたので、今回の続編を楽しみにしていた。
今回のテーマは、主人公のRileyが思春期に入る
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.4

Yorgos Lanthimos監督作品は、「The Favourite」もお気に入り。
確かに怪奇的な女性人物像が特徴なのかもしれない。
この映画ではアカデミー賞受賞の通り、映像、美術、衣装等が素晴
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お気楽探偵アトレヤ(2019年製作の映画)

4.5

インド映画ファンの中でもカルト的な作品との印象があり、観たかった作品。
コメディスリラーとしても秀逸だし、ベースにあるところは、実際に社会問題となった事件をモチーフとしており、この作品に重みをもたせて
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ランガスタラム(2018年製作の映画)

4.5

テルグ映画の面白さのエッセンスが多く織り込まれていて、満足感高い作品だった。
権力、不正に立ち向かう正義感、兄弟愛、そして最後のどんでん返し。
マサラ的な歌踊りも満載。

この映画は、興行面、評論家の
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.2

法廷映画。
アカデミー賞脚本賞を受賞しただけに、その繊細で計算尽くされた会話、そして登場人物の心理状況の変遷が巧みに描かれている。
法廷映画といっても、勝ち負けがあるわけではなく、アンビギュイティであ
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PS-1 黄金の河(2022年製作の映画)

4.3

9-13世紀に南インドで興ったチョーラ朝を舞台にした大河歴史小説の映画化作品。
南インドの歴史を学ぶにもよい教材であったりする。
Ponniyin Selvanの治世が兄のAditha Karikal
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

以前、駐在していたニューヨーク、マンハッタンが舞台、且つアカデミー賞作品賞ノミネート作品ということで観たかった映画。
ラブストーリー的には、シンプルなものでは、との先入観でいたが、この三人の関係性が意
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カーラ 黒い砦の闘い(2018年製作の映画)

4.0

ラジニ様の社会正義モノ、勧善懲悪モノは、周期的に観たくなる。
この映画も、権力に対する弱者側の抵抗、スラム街問題を正面から描いたもの。(一部実話を参考にしている)
舞台はムンバイだが、主人公はスリム街
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.5

米国にとってタブーでもあった”原爆”について、ハリウッド映画が正面から取り上げ、興行面で成功し、そしてアカデミー賞作品賞に選ばれたことは、いい意味での驚き。
映画を観ることで、このテーマを語ることが重
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.3

宮崎駿監督の強いメッセージが伝わってくる。
現在の社会が、脆い均衡の上に支えられている、ということ。
それをビジュアルで訴えかけてくる。
アニメーションでなければ示せない世界観。

その危機感を妄想の
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WAR ウォー!!(2019年製作の映画)

4.4

インド人とインド映画の話をすると、何人かのインド人から「War」観たか?と聞かれるので、ずっと気になっていた映画。
基本、アクション系は敬遠気味なのだが、この映画は、そのようなことも鑑賞。
また監督は
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ジガルタンダ・ダブルX(2023年製作の映画)

4.5

自主映画で鑑賞(現在、Netflixでも鑑賞可)
タミル映画界の鬼才監督Karthik Subbarajの新作。
(若手だけれども、これまでの実績から、”若手監督”との紹介は憚れる)
Subbaraj
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Merry Christmas(原題)(2024年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

自主上映で鑑賞。
監督が「Andhadhun」のSriram Raghavanということが鑑賞のモチベーションとしては大きい。
「Andhadhun」については、残念ながら、未だ観る機会がないのだが、
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マリーゴールド・ホテルで会いましょう(2011年製作の映画)

3.6

インド絡みで鑑賞。
ストーリーとは関係ないかもしれないが、できれば、もっとJaipurの風景をフィーチャーして欲しかった。

老後をインドで暮らす、というのも、旧宗主国だからこそあり得る発想なのだろう
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’96(2018年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

IMW2023パート2にて鑑賞。
2018年公開のタミル映画。
多くの映画賞を受賞し、特に主役のカップルを演じたTrisha、VSPの受賞が目立つ。この映画はこの二人の好演に支えられていると思う。(子
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若さは向こう見ず(2013年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

2013年ヒンディー映画。
Deepika PadukoneとRanbir Kapoorの二大スター共演で興行的にも映画賞的にも成功したカルト的な映画。
将来の夢、恋愛、友情、親子・家族愛と心を動かさ
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海辺の彼女たち(2020年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

日藝生による映画祭、「移民とわたしたち」の作品として鑑賞。
先ず以って、若い人たちが、このように社会問題に関心を持つことに賛意を抱き、応援したい。

この作品は、ベトナム人の三人の若い女性が主人公。
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.5

そろそろオスカーシーズンが到来、その候補に挙がりそうな作品は観ておきたいところ。
本作品は、Martin Scorsese監督にRobert De Niro、Leonardo DiCaprioの共演、
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レオ:ブラッディ・スウィート(2023年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

Lokesh Kanagaraj監督とVijayのコンビ2作品目ということで、注目していた作品。
Lokesh監督は「Kaithi」のインパクトが大きく、好きな監督の一人。
(Masterも観たが、V
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バービー(2023年製作の映画)

3.7

バービーランドのSupreme courtの様子は、Roe v. Wadeを想起させ、アメリカが置かれているジェンダーの問題がやはりベースにある。
アメリカで大ヒットになるのは、そのような社会的背景と
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PATHAAN/パターン(2023年製作の映画)

4.3

興行面では、インド映画、歴代5位となっているようで、文字通り今年最大のヒット作品。
特にSRKブランドは、グローバルでの訴求性が高く、グローバルベースの興行成績も大きく寄与していると思う。
SRK、デ
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燃えあがる女性記者たち(2021年製作の映画)

4.4

インドのカースト最下層ダリトの女性たちが立ち上げた新聞社が、SNSを活用し、人権問題の解決に取り組む姿を描いたドキュメンタリー映画。
多くの映画賞を受賞し、Rotten Tomatoesでも100%と
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わたしを離さないで(2010年製作の映画)

3.6

Kazuo Ishiguroの小説を読んでから、この映画を観る。
ちなみに、小説自体は、「生」、「死」、「記憶」と興味深いテーマがあり、且つユニークなアプローチもあり自身の評価は高い。

映画化に際し
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K.G.F:CHAPTER 1(2018年製作の映画)

4.6

約1年前にKGF2を観て、どうしても観たかったKGF1。
KGF2同様、終始、痺れていた。
映画を観ていて、”痺れる”という感覚は、当然、滅多に起こらないのだが、敢えて表現すれば、感情、意識の閾値が超
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ラストファーマー -最後の農夫/ラストファーマー(2021年製作の映画)

4.4

インド大映画祭で鑑賞。
IMDbの評価が8.8と高評価。
Wikiには、映画としての評価は高いが(映画賞も受賞)、興行的には振るわなかった、とある。

タミルの農村地区に残る伝統的な生活と都市型の「効
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ジャイ・ビーム -万歳ビームラーオ/ジャイ・ビーム(2021年製作の映画)

4.6

インド大映画祭で鑑賞。
IMDbの評価が8.8と高評価。
2022年のFilmfare Awards South(タミル)で作品賞受賞。(その他内外の映画賞受賞)
2021年10月のリリースから話題に
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